07 サンキョウ RS-2 + ムラマツ DN

2014/02/20 18:08 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2014/02/23 21:42 に更新しました ]
今回は約40年前のムラマツDNに約30年前のサンキョウのRS-2頭部管を付けてご使用のお客様からのご依頼です。
私のDNは 17970 番ですが、こちらは 1679* 番ですから1000番程古い楽器です。
オフセットリング Eメカ G-Aトリル H足 という装備です。
この楽器にまつわるエピソードをメールでご連絡いただいたのですが、とても大事にされているご様子が現物を見ても伝わって来ました。
頭部管は宮本明恭先生のご紹介で三響までいらして作ってもらったそうです。

早速音を出してみると、最初の印象はそれ程悪くない感じでした。
その後自分の楽器に差し替え、頭部管もいつも吹いている物と比較すると色々と見えて来ました。
ごく小さな音で響きを掴みながら吹いている分にはそれなりの鳴りですが、もっと表現の幅を広げようと思うと途端に頭打ちになって窮屈になってしまいます。
もともと明るい音作りの様ですので、この辺を改善すれば良いと思われます。
お客様のご要望は、繊細でシャープな音色が気に入っているが、ダイナミックレンジが狭く大きな音が出しにくく、特に低音域が響かない点を改善して欲しいというものでした。
作りを見てみると、以前私が見た楽器よりはだいぶ丁寧にできています。
ただ、ハンダ付けの状態が良くないようで、ハンダ層に切れ切れにまわっていない部分がありました。
その辺から着手することにしました。
いつもは最後にエンブレムをハンダ付けするのですが、今回はライザーのハンダまわしと同時にやってしまいます。
ここで気づいたのですが、ライザーのハンダ付けに使用されているのがどうも銀スズ半田の様なのです。
変色の具合も、あぶった時の溶ける温度からもそれが窺われました。
サンキョウでは30年も前から使用していたのでしょうか?
私が前に居た会社では10年程前から使い始めたのですが、それすら変な理由から数年前に鉛ハンダに戻す様指示が出されました・・・

段階を踏んで調整したのですが、やはり通常の Tuning では思う様な状態にならず、控えめに耳を付けて確かめ、さらにもう少し耳を大きくすることで良いところに来ました。
色々と吹き比べをしながら、もっと良くなるのでは・・・という気持ちも湧いてきたのですが、お客様の気に入られた点などを考慮するとこれが良い状態ではないかと結論しました。
私のオリジナルはどちらかと言うともう少し落ち着いた感じの傾向にあるのですが、このRS2はもっと明るく軽やかで違う魅力を感じました。
元の状態に比べると、かなり吹き込んでもちゃんと応えてくれる状態になったと思います。

それから、胴体のムラマツ DN に違う頭部管を差し替えて試した際にどうも音の詰まり感が気になりました。
良く見てみると、接続の樽から胴部管にハンダ付けされている部分にバリのような物が確認できました。
超硬ヘラで当たると手応えを感じたので、そのまま押さえてならして磨いたところ、詰まり感が解消されました。

コルク栓とヘッドスクリューの間にこのようなものが入っていました。
これは BULLSEYE の FLUTE BALANCE という物だそうです。
どうやら音に厚みを増す効果があるということで装着された様ですが、良い機会なので試してみました。
確かに替えた瞬間はかなり変化を感じるのですが、それが良いのか悪いのかは判断いたしかねます。
頭部管が重くなると自然に左手に力が入り、支えがしっかりするという利点はあるかも知れません。(その分疲れますが)
この違いを好ましいと感じられる方にとっては面白いと思いますが、これで¥8,000もするのは考え物ですね。
私なら同様の物を数百円でお作りできますが・・・

翌日もう一度吹いて確認したところ、全く問題なく良い状態に感じられたので発送することにしました。

さて、気に入っていただきメインの楽器に格上げ・・となればとても嬉しいのですが・・・

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