18 POWELL SIGNATURE

2014/06/10 4:54 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2014/06/10 17:32 に更新しました ]
今回はパウエルのシグネチャー頭部管です。
ご依頼は

5年ほど前に購入したのですが、鳴らすポイントが狭いためか、私の腕ではなかなかうまく鳴ってくれません。
本体は30年以上前に購入したミヤザワの総銀製です。
相性はよいと楽器店では言われました。
私の先生に吹いてもらうと素晴らしい甘い音がよく鳴ります。
こんな私(フルート歴12ねん)でも気持ちよく鳴るように調整お願いしたいと思い、メールしました。
可能性等お教えください。
吹きやすくて、明るいパウエルサウンドが私でも出せるよう、よろしくお願いいたします。

という内容でした。

シグネチャー・モデルは以前まとめて6本の Tuning を行った経験があり、状態はほぼ把握しているつもりです。
ただ、『私の先生に吹いてもらうと素晴らしい甘い音がよく鳴ります。』とあったので、単にお客様との相性の問題の可能性も危惧されました。
送られてきた頭部管を吹いてみると、ひどく吹きにくいという状態ではありませんが、正しい音程で心地よく吹くのは難しい状態でした。
作りを見てみると、随所に荒い仕上げの痕が見られ改善の余地を認めました。
この辺を修正すればこの頭部管の持つ本来の性能を発揮できると思いました。

この画像は目に見える部分ですが、内側にも同様の傷跡が見られました。

気になる部分を平滑に仕上げ磨き上げました。
これで殆ど改善されました。
とても明るい音がします。
ただちょっとザラザラする雑音のようなものが気になります。
リッププレート上の左エッジコーナーにだけ息の痕(水滴)が残ります。
中をルーペで詳しく調べると問題箇所が見つかりました!
これは会社にいる時分から発見していたのですが、吹き痕が問題点の Indicator となる事は確実の様です

その部分を修正すると気になる部分が目にも耳にもクリアーできました。

それから接続部分がひどく凸凹で波打った状態だったので、すり合わせが大きく変わらない範囲で修正しました。
こういった場合には本体もあった方が安心ですが、最初の状態をきちんと把握しておけば大丈夫でしょう。

シグネチャー頭部管はパウエルの最低価格のソナーレにも付いています。
頭部管単体で買うよりもソナーレ本体を買った方が安くなるという変な事になっていますが・・・
高価な頭部管を買わずとも Tuning を施したシグネチャーはとても良い楽器だと思います。



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