26 頭部管の再生

2014/11/11 1:43 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2014/11/11 3:15 に更新しました ]
今回は少し大掛かりな修理の依頼が来ました。

以前相談したヤマハはドイツの楽器にとりあえずのモノとして差して使っていたものですが
オリジナルの洋銀にメッキの 頭部管(銘もなく確証はありませんが)は管体と反射板・クラウンのみあります。
リッププレートは外されていて管のみです。
ドイツの楽器ならではなのか、頭部管の歌口から端までの長さが7MMほど違い
ヤマハを差すと12,3mmは抜かなければピ ッチが合いません。
かなりのばくちにはなりますが、それなりに費用をかけるのであれば
オリジナルの管を使った方がメーカーの意図したスケールになるのではと期待しています。


というわけで、添付された画像を見ると2箇所の柱のようなものが気になりました。
オリジナルは象牙かプラスチック製の歌口が付いていたものを外して金属製に付け替え、更に外された物の様に思えました。

他に楽器をお持ちでないということで、本体は頭部管が出来上がった後に送って頂くことになりました。
実際に送られて来た管を見てみますと、確かに歌口の穴の位置がかなり上方にずれています。
絞りは特別ではなさそうなので細い部分に歌口が付いていることになります。
本体のCisトーンホールから接続管端までの距離を測っていただいたところ、歌口からCisまでの距離は通常と変わらない事が判りました。
胴部管が短い分を頭部管で補っていることになります。

メッキの剥がれている部分が変色していたので、地金が真鍮の可能性も懸念されたのですがおそらく洋銀の様でした。
もしも余りに見栄えが悪くなった場合は銀管で新たに作り直す事を前提に作業に入りました。

先ずはハンダを綺麗に処理してから、出っ張った柱を炙って外そうとしましたがダメでした。
メッキもブツブツと浮き上がってきたのでヤスリで削ることにしました。
次に現状の歌口の穴を埋めるのに材料をニッケル合金にするか銀にするかで迷いました。
新しい歌口は銀製にするので、成形のしやすさと銀ススズハンダを使えることから銀の板を使うことにしました。
ロー付して磨いた状態です。

そして今回予めライザーとリッププレートをロー付けして磨いて準備しておいた歌口がこれです。

ハンダ付けした状態

最近は木管ばかりで久々の銀の中ぐり・・・緊張したので多めに残すことにしました。
そして歌口の成形。
基本的には木管と同じです。ただ材質が違うだけ・・・

磨いてひとまず完成したので吹いてみました。
いっぱいに入れてもなお低いので正確な判断は出来ませんが、悪くない印象でした。
早速胴体を送ってもらうことにしました。
WERNER FISCHER BREMEN の刻印

全体にメッキが剥がれかかっていますが、なかなか響きの良い楽器です。
すり合わせをして一部気になった部分を手直ししたところ、結構良い楽器に仕上がりました。
ついでに今まで使っていたヤマハの頭部管の不具合も直すことにしました。
明らかに目に見える問題だけを処理してみると、音程のコントロールもしやすくなり吹きやすくなったと思われます。
それでもオリジナルの再生頭部管の方がまとまりのある音で私には好ましく感じられます。
気に入っていただければ良いのですが・・・




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