27 MIYAZAWA 9K 頭部管

2014/11/14 2:03 に Yoshio Takamura が投稿
今回はこんな内容のご依頼です。

歌口の形を調べていて、ネット検索しているうちにこちらのHPに行きつき過去の作業日記等拝見してメールさせて頂きました。
私の使用楽器は、ミヤザワ9K(キィ・メカニズム銀製)、それ以前は、ミヤザワ頭部管銀+管体洋銀製を使用していましたが、ステップアップの為、山野楽器で中古で3年前に買いました。
買った当時は、フルートを個人で習っていて、その時師事していた先生にも選定して頂き、明るく華やかな音と憧れの金製という点が気に入って買いました。
去年から、一般の吹奏楽団で吹くようになり、音楽室やホールでの広い場所での練習がメインになりました。
そこで、今回依頼する経緯なのですが、家などで吹く時は気にならなかった音量や響きなのですが、広い場所で吹くと、あきらかに音量の小ささ、響きの薄さが目立ち、思うように吹けません。
低音は、まだ良いのですが、中音域から高音域にかけてが特に難しく、豊かな音を響かせようと、フォルテで息を吹き込むとひっくり返る事が多く、コントロールするのが難しいのです…。
その為に、楽器を外吹きしたり、内吹きしたり試行錯誤しましたが、今は少し内吹きぎみにセットして吹いています。
もう一つ問題点があり、チューニング442Hzで合わせると、かなりピッチが高くなってしまう事です。
冬場はまだ良いのですが、夏場だと、それでなくても高いのに、1.5cm位頭部菅を抜く事もあり困っています。
楽器の修理の際に代替楽器(総銀)を借りて演奏した際の鳴りの良さ、コントロールのしやすさ等考えると、自分の楽器をチューニングして頂いたら、もっと芯のある豊かな響きが生まれるのでは?と悩みに悩みメールしました。

というわけで、送って頂いた楽器を吹いてみました。
良く鳴るポイントで吹く限りでは金らしい明るく華やかな音がします。
しかしながら音程のコントロールが殆ど出来ない状態ですので、正しい音程で吹こうとすると鳴らすことが難しくなりお悩みの状況になるものと考えられました。

ぱっと見の印象は悪くありません。
ところが
中を覗くと・・・
見たことのない形です。
左右よりも前後の方が広がっている様に見えます。
よっぽど前後の角度が開いているのかと思いきや、左右の壁が殆ど垂直に近いのでこの様に見える様です。
計測してみると、サイズも角度も何とか大丈夫そうなので横の壁を下に広げていけば何とかなりそうです。
それにしてもこれは何かを狙った作りなのでしょうか???

取り敢えず削っていくと形の歪みも気になって来ます。
アンダーカットはあまり取りたくなかったのですが、途中経過では殆ど改善出来ませんでした。
この状態でもまだ思う所に到達しません。
この状態でようやく良い状態になったと感じられました。

すっかり手こずり時間も掛かってしまったので、とりあえず今日中に仕上げてお送りする旨を連絡しました。
その後あらためて最終チェックをしたのですが、コントロールはしやすくなり楽器としての性能は改善されたものの、音色的にもう少し改善したいと感じました。
形が整ってくるに連れ細かな部分での不具合が目立って来ます。
それらをほぼ修正して行くうちにだんだん焦りを感じ始めましたが、最後に微妙な一手加えると良い状態になりました。
最終的にはより良い方向に持って行くことが出来ましたが、今回の状態はかなり手強く100%思い通りの仕上がりには至らなかった気がします。
ミヤザワの特徴なのか、或いは9Kのせいなのか芯のあるしっかりした音に近づける事は非常に難しい作業でした。
それでも音程や音色のコントロールはしやすくなったと思いますので、表現の幅は広がったのではないかと思います。
お客様にも同じ様に感じていただければ良いのですが・・・

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