作業日記 2016

20 Philipp Hummig

2016/12/24 4:59 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2017/03/14 20:02 に更新しました ]

今回は菅原潤氏から送られて来たフィリップ・ハンミッヒの変わった木管フルートです。



木の種類は何なのか良く判りませんが、私が扱った事のある木の中ではブビンガが一番近い感じです。
とても軽い印象です。

吹いてみるとあまり良く鳴らない感じです。
頭部管を替えてみてもあまり良く鳴る感じでは無いので、おそらく材質の持っている個性のような気がしました。
タンポもあまり良い状態では無いようです。
それでも頭部管には明らかに何かしらの不具合がありそうです。

中を見てみると
上の2枚の画像は手前下の様子を角度を変えて撮影したもの
こちらは向こう側(正面)下の様子です。

変な面が出来て形が変形しているのと、壁の面が荒れてささくれ立っているのが気になります。
見える穴の形は問題ないので、これらを修正すれば改善が望めそうです。

コルクを外す際にこんな物が入っていました。
白いプラスチック製のナットのような物なのですが、何の為の物なのか?
誤って割ってしまったので急遽グラナディラ材で同様の物を作りました。(^^;


ひと通り手を入れましたが、見える穴の形は全くいじっていません。
最終的に少しだけエッジの調整はしました。

これだけで最初に感じた不具合は殆ど解消されました。
これなら普通の感覚で吹けますが、材質のせいか軽い響きです。
鳴るところの響きを捕まえると良いのですが、ずっと維持して吹くと疲れる感じです。 以前作ったブビンガ製頭部管 B19 と似ていて同様の感じだったのを覚えています。 結局ブビンガは没にしたのですが・・・

19 Muramatsu Model-EX

2016/12/03 20:19 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/12/06 5:50 に更新しました ]

今回はムラマツEXモデルの頭部管です。

何年か前、偶然2013年の#35の作業日記を拝見して以来、ずっと私の楽器も見て頂きたいという思いがあり、今回メールさせて頂きました。
その作業日記の中で、『大きな音は出るのですが、普通に吹くと音程がぶら下がってしまい気持ち良く演奏できません。途中で吹き方を変えていますが、ビブラートをうんと掛けて不自然な吹き方をすると正しい音程で吹けます。』という高村様のご意見と動画を拝見し、自分のムラマツEXの状態に当てはまると感じました。
チューニング後の動画では、ぶら下がり感がなく、気持ち良く流れるような音の変化に感動しました。このような状態に改善できればとても嬉しいです。

という事で、この作業日記を参考にして頂いた様です。
久々に動画を見直すと何だか恥ずかしい気がしました・・・

さて、送られて来た楽器を吹いてみると予想以上にひどい状態でした。
左手のぶら下がりは勿論、全体に詰まった音で吹き込むとすぐに音が裏返ってしまいます。
曲を吹いてみようという気にもなりません。
ムラマツEXはこんな楽器では無い筈なのですが・・・

先ず目についたのは左エッジ付近の傷です。
これがそれ程ひどく影響するとは思えませんが気にはなります。

中の形状は特に問題はありませんので、あとは台座内側の壁の状態が影響しているのでしょうか?
細かいキズ状でくすんだ状態です。

とりあえず仕上げ直す感覚で手を入れ始めるとアンダーカットのバランスも気になりました。

キズを取ると共にエッジを作り直し、全体にヘラ掛けもしてピカピカに仕上げました。

この状態で吹いてみると、元の状態は嘘のように改善されて良い感じになりました。
これならば色々な曲を吹いてみたくなります。
元々の作りが良いだけに僅かな原因で影響が出るのでしょうか・・・
ムラマツEXは材質の差だけで他の高級機種と遜色のない品質ですので、これからも永く使って行ける楽器だと思います。


それから、正式にはチューニングは行っていない事をご承知の上で、状態を見て欲しいという事で一緒にピッコロもお預かりしました。
Burkart の Gippo というモデルだそうです。
それほどひどい状態では無いようですが、高音の A から上は非常に出し難い感じでした。

目に見える部分としては
エッジ付近の傷と
前方下コーナー付近の形の乱れが気になりました。
この部分を修正する事で問題が解決できるかどうかは判りませんが、とりあえず手を入れてみる事にしました。

全体的にすっきりと綺麗な形なのですが、チムニーの前後の面と左右の繋がる面にくっきりとした直線部分が目立つのも気になりました。
ここにも機械化が導入されているのでしょうか?

一応気になる部分は修正できました。

吹いてみると、元の状態よりは音がまとまり高音の問題も多少改善できたようです。



18 Nagahara

2016/11/27 22:34 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/12/02 0:52 に更新しました ]

今回はナガハラの頭部管です。

ナガハラを持っているのですが、今一つ頭部管が難しく感じています。
音量は出るのですが、コントロールが難しく、すぐにかすれたり裏返ったりします。
一度見ていただくことはできませんでしょうか。

ということで、送られて来た頭部管は、Ag 950 の管体に 14K Gold のライザーとリップという仕様でした。
歌口はD
タイプというものだそうです。
クラウンにはロッキング・クラウンの Light Base が装着されています。

吹いてみると最初の一瞬だけ戸惑いましたが、吹き方をつかむとかなりしっかり鳴る印象でした。
ただご説明の通りに気難しさが感じられ扱い難い感じでした。
音程のコントロールについても、一つの判断基準である左手のぶら下がりを強く感じました。
この感じですと何かしら問題がある筈です。

中を覗いて見ると、形状的にはさほど問題はなかったのですが気になる部分が見つかりました。
画像は鏡に映った内部の様子ですが、おそらくハンダと思われる塊が管に付着しています。
通常の作業工程では有り得ない状態です。(ナガハラの製造工程は知りませんが・・・)
新品をご購入されたと伺っているので後からの修理は考えにくいのですが、どうしてこの様な状態でハンダが残っているのか理解に苦しみます?・・

おそらくこの部分を修正する事で問題は改善できると思えたので、その旨をお伝えして作業に入りました。

ハンダは綺麗に取り除くことができました。
その他にも僅かなライザー表面の歪を修正しました。
この状態で音を出してみると、最初に感じた不具合は解消されました。
ただ少々派手過ぎるような音の印象で高音に少々違和感がありました。
どの様な状態をお望みなのかを改めて確認して微調整することにしました。
以前はクーパーカットに近づける事で問題を解決することが多かったのですが、最近はなるべく元の形を変えない方向で調整するようにしています。

今回も殆ど大きく手を加えることなく仕上げる事ができました。

この作業を始めた当初は、「果たして良くなったと感じてもらえるだろうか?」という不安もあり少しでも大きな変化を求めようとしていたところがありました。
その最たるものがスコティッシュ・チューニングであり、見た目からも強くアピールしていました。
今まで続けて来た中で、ほとんど私と同様に感じて頂けることを経験して来た今、少しでも元の個性を損なわずに問題点を改善できるようなチューニングに努めています。

17 Brannen Brothers

2016/11/09 5:37 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/11/09 16:00 に更新しました ]

今回は14KゴールドライザーとAgリッププレートの間に隙間がある・・・という事でご相談をいただきました。

おそらくは銀ロウ層のスかロウ付け不良だと予想していましたが・・・

予想以上にひどい状態でした。

こういう状態になる要因としては、ロウ付けする際に
①温度管理が上手くなくロウが均一に流れない
②フラックスが均一に塗布されていない
③不純物や気泡を取り込んでしまう
といった事が考えられます。
いずれもロウをさすタイミングや焔の大きさ、温度をつかめばある程度抑えることができるはずです。
ちゃんと管理された雰囲気の中で高周波溶接すればこの様になる事は無い筈ですので、おそらくバーナーによるロウ付けだと思われます。

これを完全に修復するには
①ハンダ付けされた歌口をあぶって管から外す
②台座に残ったハンダを完全に除去する
③歌口をあぶってロウを溶かし隙間の部分に行き渡らせる、更にロウを足す
④修正した歌口を元の位置にピッタリ合うようにハンダ付けする
といった工程が必要です。
③に於いては、ライザーの重さで溶けたロウをはみ出させて隙間を埋めることになるので、場合によっては全体の高さが下がることになります。
また、下手をするとライザーとリッププレートの穴の位置がずれてしまうので、その場合は削り直す必要があるので当然穴が大きくなってしまいます。

もし吹いた音の状態がひどければ修正と併せて修理をするつもりでしたが、概ね気に入っていらっしゃるという事からリスクを冒してまで修理することは避けました。
ただ見てくれが残念な事と、低音の扱いに少々難があるというご指摘でした。
私自信も何か息が暴れてコントロールし難く、低音の倍音を増やして行くと気になる響きになる事が気になりました。

内部にはこの様な部分もあったので、全体的な修正とスの部分もできるだけ目立たない様に手を入れることにしました。
着手してみると、他の部分にも形状の問題がいろいろと見えて来ました。
この様な状態でもそれ程ひどく音への影響が感じられなかったのが不思議なくらいです。

ひと通り修正をしました。

スの部分はごまかしではありますが、少しだけ目立たなくなったと思います。

音の状態も気なった息の暴れは感じなくなり、全体にまとまりのある音になった気がします。


16 YAMAHA YFL871(CY)

2016/10/13 6:39 に Yoshio Takamura が投稿

今回はヤマハのYFL871の頭部管です。
CYタイプの銀管ですが、リッププレートとライザーが14Kゴールド仕様の物です。

自分の腕が悪いせいもあるのでしょうが、低音部の鳴りが物足りない感じがしてます。
最近は 全体の響きも「表情に乏しいなー」なんて思うようにもなりました
腕を上げる練習が必要なのはもちろんですが、楽器の方もチューンアップをすれば
鳴りは良くなるでしょうか。 

という事でした。

送られて来た楽器を吹いてみると、確かに低音の鳴りにも問題を感じますし全体に生き生きとした音が出ない感じです。


ライザーの面に後から手を加えた様な不自然な傷があります。
中の管との境目もあまり綺麗ではありません。
この辺を修正すれば改善できそうです。

実際に手を入れてみると色々と形状的な問題も出て来ました。

ひと通り気になる部分の修正を終えて音を出してみると、最初に感じた様な問題は改善できました。
ただ少々気になる感じもあったのでさらに手を加えることになりました。

この歌口の形状による特徴もあるのでしょうが、輪郭のはっきりした割とタイトな響きになりました。
銀管に金の歌口という組み合わせは明るく軽やかというよりもバランス的にも重い感じになるようです。
こう云う音の傾向を好まれる方にとっては良いのかもしれません。


15 DANA SHERIDAN

2016/09/30 19:23 に Yoshio Takamura が投稿

今回初めてのシェリダンです。

DANA SHERIDAN
       SERIESE

の刻印があります。

これは他楽器メーカー用に "Dana Sheridan" が設計した物ですが、全音域バランスが取れて良いと思っていますが、
私が吹くとシャーシャー音が気になります。
この問題は私自身にあるのか、頭部管の何らかの欠陥にあるのか教えて頂きたいのです。

という事でした。

実際に吹いてみるとシュワシュワと気になる雑音を感じ、かすれた様な音の印象でした。
音程のコントロールにも難のある感じでした。


ショルダーもそうですが、アンダーカットも平面で切り取ったような仕上がりで、ライザーの下のコーナーにくっきりとした面が見えます。
その辺の修正で雑音の改善は出来そうです。

実際に手を入れてみると、壁の面にも凹みがあったりあまり綺麗な仕上がりではありませんでした。


修正後は気になった雑音も感じなくなり、音程の問題も感じなくなりました。
結構パワフルに鳴る感じで、最近のアメリカンタイプに共通する印象です。



14 Haynes

2016/09/29 2:34 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/09/29 5:00 に更新しました ]

今回は No. 431** のハンドメイド・モデルの頭部管です。

・音が平板で、豊かな響きがあるように感じられない。
・感情を込めた音楽的な表現が困難。
・音程がとりにくい。

ということでした。

届いた楽器を見て先ず気になったのは、クラウンの形状とヘッドスクリュー部分の管のジャバラです。

回して外そうと試みましたが、コルクも一緒に回って外れません。
過去に無理やり外そうとしてこのようになったのでしょうか?
それにしてもこのクラウンは相当古いタイプのようです。
これは先日ブログに載せた画像ですが
左が No. 7693 (レギュラー) 右が No. 40482 (ハンドメイド) です。
番号から云っても本来なら右と同じ形状のクラウンの筈です。

どの様な状態でクラウンが外れないのか判らないので、火で炙ったり場合によっては穴を開けて壊す様か・・・
と思いを巡らせました。
以前にも経験があったので、とりあえずアルコールを注いでしばらく放置してみました。
その結果あっけなく回して外すことができました!

歌口の形状は明らかにオリジナルとは異なるもので、あとから削り直してあるようです。
ただそれ程いい加減なものではなくきちんと形作られています。

先ずは頭部管の蛇腹状の凸凹の修正から取り掛かることにしました。
叩いて擦って・・削って・・・磨いて なんとか目立たなくなりました。

ヘインズのチューニングでは、いつもオリジナルのヘインズらしさを残すか否かで葛藤があるのですが、今回は既にオリジナルとは違う形だったので躊躇なく手を入れる事が出来ました。
中の方はアンダーカットと壁の形状を整える事でほぼ完了したのですが、穴の周りの表面に変な落ち込みがあったのでそれを修正するのに苦労しました。


元の状態と比較して、音程も問題なく表情も付け易くなり、いろいろな表現ができるようになったと思います。
ほぼ通常のチューニング作業で済んだのでホッとしました。

13 アルトフルートの修理

2016/09/22 19:42 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/09/26 7:57 に更新しました ]

今回はアルトフルートのご依頼です。
アームストロングの楽器で本体は洋白に銀メッキですが、頭部管は銀製です。

高音域がスムーズに出ない。
高音域の音色が固く、表現が難しい。中音域・低音域にそれほど不満はありません。
アルトフルートの高音域は、このようなものなのでしょうか?もうちょっと音楽的な音が出てほしいと思います。

という事でした。


送っていただいた楽器を吹いてみると、多少高音の出し難さは感じるもののそれ程気になる状態ではありませんでした。
作りに関しても特に問題になるようなところもありませんでした。
唯一気になるのは穴のサイズが大きいという点です。
この部分は手を加えて修正できるものでなく、むしろ手を加えるほどに大きくなる方向になってしまいます。
ですので今回は手を加えずに返却しても良いのではと考えていました。

ところが良く見てみると酷いロウ付けのスが見つかりました。

しかも角度を変えると穴の部分が光を通して貫通しているのが判りました。

この画像を送って状況をご説明し、次の選択肢から選んでいただく事にしました。

①それほど音に影響していない様なのでこのまま手を加えない。
②ロウ付け部分の修理をする。
 そのためには歌口を外して修理後付け直す必要がある事。
③適正な穴のサイズにするためにも歌口ごと交換してしまう。

結局この際せっかくなのでという事で③を選ばれました。

さて、新しい歌口を製作するにあたりアルト用のライザーが手元にありません。
台座も板から切り出し、筒も板を丸めて・・・等々いろいろな方法を考えてみました。
最も容易に実現できそうなのは、元の歌口からライザーを外して流用する方法です。
それには穴が大きいので何かで埋めて小さくしなければなりません。
板を内側に貼り付ける事も考えましたがなかなか難しそうです。
そこで以前製作途中で少し大きくなってしまった通常のフルート用のライザーを削ってはめ込む事にしました。
リッププレートの穴をけがいておおよその外形を削り出し、元の穴に収まるように合わせて行きます。

現物合わせで隙間と当たりを見ながらピッタリ合うまで少しずつ削って行きます。
ほぼ出来上がりました。

合わせた中筒と一緒にリッププレートにロウ付けしました。
少し出っ張っていますが、この部分が大き目の元の管の穴にピッタリ嵌ります。
ですので通常行う管の穴埋め作業を省くことができます。
まだ小さめのリッププレートの穴を削って行き、ライザーと共に既定のサイズに成形します。
(出来上がりの撮影を忘れてしまいました・・)

後は管にはめ込む感じではんだ付けすれば出来上がります。


全体に統一されたまとまりのある柔らかい音になりました。
高音も違和感なく吹けるようになったのではないでしょうか。
元の状態もそれ程悪くなかったのでより良くなったと感じて頂ければ良いのですが・・・




12 MIYAZAWAWA AZ 頭部管

2016/08/08 23:27 に Yoshio Takamura が投稿

随分とサボってしまいました。
前回の投稿からもいろいろな Tuning を手掛けていましたが、作業日記の掲載は省略していました。
今回#12となっていますが本当は何本目でしょうか・・・

さて、今回久しぶりに投稿する気になったのにはちょっとした理由があります。

今回の楽器はミヤザワの wien Stage AZ というモデルで、管体銀でリッププレート、ライザーその他に9Kゴールドが使われています。
特に高音が鳴らしづらく普段は別の頭部管を多用しているとの事でした。
確かに音が広がってしまい芯のある音で p を吹くのは難しい状態です。
左手の音程も下がるので、それを修正して吹くと尚更虚ろな音になりがちです。

中を見てみると・・・以前見たことのある状態でした。
2014 27 MIYAZAWA 9K 頭部管 とほぼ同じ状態です。
今回の写真は撮ってありませんが同様ですのでリンク先で確認してください。
左右の壁が普通とは逆に上に向かって広がっている感じです。
随分驚いた覚えがあったのですが、たまたまの出来事では無くそういった形のモデルが一時期流れていたという事になります。
結果が良ければどんな形でも良いとは思いますが・・・


前回の経験から一気にここまでもって来ました。
ほぼ作り直しという感覚でしたがスッキリまとまった形になりました。

吹いてみると全く問題を感じない状態になりました。
一体あのカットはどういう効果を狙っていたのでしょうか???

11 YAMAHA YFL-617 Type Am

2016/03/05 1:21 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/09/26 6:20 に更新しました ]

今回はヤマハの頭部管です。

1 抵抗感が強い
2 抜けが悪い
3 吹きにくい
と日々、感じています。言い変えると、吹いていてストレスを感じます(疲れます)。
楽器の良し悪しを言うほどの腕前はありませんが、是非、診断して頂ければありがたいです。
という事でした。

実際に吹いてみると、予想していたよりは悪くない状態でしたが、音程のコントロールが難しく確かに吹きにくい感はあります。
何か平坦な音で艶とか柔らかい表現が難しい状態です。
いつもの事ながら、左手の音程のぶら下がりを強く感じるので、何か問題があると思われます。

中のつくりを見ると、パウエルの一部の楽器のようなひどい状態は見られず、非常に形も整って綺麗に仕上げられています。
ただ、形状的に少し気になる部分があったので、その部分を修正すれば問題が改善できるような気がします。
リッププレート上の穴の形も、鏡で見る管の方の穴の形も、それぞれとても良い形なのですが・・・

本来は同様の角度で下に向かって広がっているならば、上と下の形は相似形になる筈です。
ところが、この歌口は上と下の形がかなり違う形状になっています。
したがって壁の途中で矛盾が生じる為に、無理やり繋いだような不自然な面ができています。
その部分を修正し、気になったエッジの作りにも手を加えました。


なかなか良い感じになりました。
最初にポンと出した音の印象がだいぶ違って感じられました。
倍音が乗って良く響く感じです。
最も気になった左手の音程のぶら下がりが改善され、pでも楽に吹けるようになりました。

今まで見たヤマハの中では、この Am という頭部管が一番良い印象でした。

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