09 POWELL Aurumite

2016/02/04 5:01 に Yoshio Takamura が投稿   [ 2016/02/04 5:19 に更新しました ]
今回は以前にもチューニングをさせて頂いた方からのご依頼でした。
3ヶ月程前に新品でご購入されたものの、ピッチが低く問題があるとのことでした。


ある程度予想はしていたものの、吹いてみてびっくりしました。
何故このような楽器を購入されてしまったのか、以前調整した楽器と比べても明らかに違いは歴然としている筈です
音色の問題以前に楽器としての機能が不完全です。
全部入れても442に届かない程ピッチは低いですし、これではまともな音では演奏できない状態です。

中はこのようになっていました。
上手く撮影出来ないのですが、肉眼ではもっとひどい状態に見えます。
大きく歪んでいるだけでなく、ライザーの面にもくっきりとした凹みがあります。

私の感覚ではこれは不良品です・・・といってもこんなものばかりですが
中がどの様になっていようが、ちゃんと演奏できる状態ならばまだ許せるのですが、これはまともに吹けない頭部管です。
それでも買ってしまうユーザーがいけないのか・・・
確かにそういった面はあるのですが、事情をお聞きするとそんな風に片付けられない状況もあるようです。
どうやら良い楽器ほど、それなりの人じゃないと吹きこなすのが難しい」などと云う事が平気で罷り通っているようです。
それから、「この楽器は今は鳴らないが、何年か吹きこむうちにすばらしく良く鳴るようになる」などと云うこともあり得ません。
慣れるのに多少戸惑うことはあっても、それが何日も続くようなら少なくとも自分には向かないと諦めるべきです。
最終的には選ぶ本人が感じた印象を第一に信じることです。

私などがこんなところで騒いだところで何も状況は変えられませんが、せめてユーザーの方々には認識して自衛していただきたいと願うのです。
本来なら私のところでは無く、メーカーに相談して頂きたいところです。
正直言ってこれ以上こういった作業に携わりたくないと思うようになりました。

今回の場合はとてもお気の毒に思えたので、少しでも良い状態にできればと頑張りました。
4,5時間削り続けてほぼ問題の無い状態になりました。
ここまで来るともう普通の頭部管になりました。
これなら「良いかも」と思える楽器になりました。
本体は問題なく良い状態です。
これからもずっと大切に吹いて行ける楽器になれば・・・と願っております。


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