25 POWELL

Post date: Jul 21, 2015 9:08:58 AM

今回はTuningというよりは、歌口に見える何か音に影響していそうなキズを修正して欲しいというご依頼でした。

とても古い楽器の様ですので出来ればあまり手を加える事無く表面状態を整えるのみで済めば・・・

と思っていましたが、実際に送られて来た楽器を吹いてみてもひどく問題がある印象ではありませんでした。

ただ、

送って頂いた画像ではあまり気になりませんでしたが・・

ハンダ層の部分がやけに太く見えるのが気になりました。

管とライザーの間に隙間があってハンダの幅が広いという可能性もありますが、

正面外側のハンダの状態を見てもそれ程ではないので違う予測が立ちました。

管の内側にもキズがあるのでこちらも磨くことにしました。

ライザー表面の状態を整えて行く過程で、先ほどのハンダも綺麗に取ることができました。

ハンダ付けの際にできるハンダ溜りは、管を削ってライザーと面を合わせて歌口を成形して行く工程で取ってしまうのですが、

それが取りきれていなかったようです。

時間が経つとハンダが黒くなりよりハッキリと見えて来るのです。

私も以前メーカーで作っていて経験していたので注意していました。

上の画像の左上の部分にはまだハッキリと見えますが、ろう付けのスもありエッジ付近のキズの修正も行ったので、

最終的にエッジの調整をせざるを得ませんでした。

作業中気付いたのですが、ライザーに継ぎ目があったのでこれは板を丸めてろう付けしてあるようです。

当時はそういった手段しか無かったからそうしたまでだと思いますが、そういった手法だから昔の楽器の方が良いのだと云った昨今の風潮があります。

やれ巻き管だの銀の素材だの・・・と

原点に立ち戻る事は大切ですが、手法にばかり目を向けずにもっと楽器の根本的な設計や製作者の意図について考えるべきだと思います。

そこで初めて今の我々が成すべき方向が見えて来るのではないでしょうか?

踏襲するだけでは進歩はありません・・・

確かに古い楽器にはそれなりの良さというものがあります。