32 FMC 10K 頭部管

Post date: Nov 10, 2015 1:02:42 PM

今回はフルートマスターズの10K(管厚0.35mm)頭部管です。

密度が高くマイルドな音色は気に入っているのだが低音がソフトで実在感が薄い点を解消できないかといった内容でした。

予備の楽器としてラファン+ムラマツDNをお持ちなのだそうですが、そちらは実在感やパワーはあるものの音色の魅力に乏しいということでした。

まず現状の音色を概ね気に入っていらっしゃる点と、ラファンの無機質な音色という表現が気になりました。

私の中ではラファンに対してそういった印象は無いのですり合わせが難しいと感じ、慎重に対応することにしました。

こういった場合は性格の違う両者を使い分けてご使用になることをお勧めするのですが、できれば1本の楽器ですべてに対応できることを望まれていたので、頭部管を送って頂き判断することにしました。

吹いてみるとなかなか良い感じの頭部管です。

しかし、確かに低音は倍音のある音は出るものの芯のない広がった感じですし、全体にまとまりのない音の印象でした。

音程も左手が下がる傾向がありました。

この歌口はMカットというタイプらしいのですが、穴の形状に対してライザーが高すぎる印象があります。

その辺も含めてあまり現状を変えずに問題を解決する手立ては浮かんだので少しずつ手を入れてみることにしました。

僅かな角度と表面状態を修正することで音程の問題も改善され低音もしっかりと出るようになりました。

極力元の状態を維持して変化しないように・・・というご要望であればこの状態で良いと思いました。

ただ私としてはもう少し息が入ってコントロールしやすい状態を良しと考えるので、もう少し手を入れたいところです。

その辺の確認をしたところ、もう少し息の入る状態になるならばその方が好ましいということなので、更に手を入れることにしました。

なるべく手を入れ過ぎないように次の段階に加工を始めたところ、思ったよりも癖のある形状だったので少し手間取りました。

それでも何とか狙うところに持って行くことができました。

その結果元の印象は薄れたもののよりコントロールのしやすい状態になりました。

最終的には私の思うようにとお任せいただいたのですが、果たして納得していただける状態なのか・・・

なかなかピリオドを打つことができず、少しでもマイルドで密度のある音に近づけるべく細かなエッジ調整を行いました。

非常に難しい課題でした。