10 POWELL 新旧2本の課題

Post date: Mar 2, 2016 8:53:00 AM

今回はN響の菅原潤氏からの依頼です。

Facebookに次のような投稿がありました。

新旧のパウエルの頭部管です。

古いほうは優しい音ですが物足りない感じ…ヘインズのような魅力も少なくて (-_-)

新しいほうは攻撃的でザラザラで(>_<)

同じメーカーですがプレートの形もメーカーのマークも全く違います。

この違いを歌口工房 高村氏に検証してもらうことになりました。

原因がつかめたらTakamura Tuningをお願いしようかと。

今までもザラザラは何本もチューニングしてもらいましたがちょうど比較できる対象もあるので興味深いです。

というわけで、実物を見る前にこの画像を見て感じた印象は・・

左の新しい歌口は良く目にする角ばった感じで、ほぼ中の様子も予測できます。

右の方は良い形状で好印象ではありますが、とても穴が大きいように見えます。

実際に届いた頭部管を吹いてみると、菅原氏の表現通りの印象でした。

作りに関しては、新しい方は定規とコンパスで描いた様な形状で、コーナーが角ばってライザー面にもくっきりと境目が見える状態です。

中(奥・下)のコーナーにも粗い目が残っています。

リッププレートも前方がくっきりと折れ込んだ形状で、パウエル製木管フルートの歌口にも似ています。

一方、古い方の歌口は形も仕上げも非常に綺麗です。

殆ど手を入れる余地が無さそうにも思えましたが、エッジも含めて僅かに修正すべき部分も見つかりました。

ただし印象通りに穴はかなり大きめだったので、そこだけが残念です。

一通り手を加えると元の状態よりはだいぶ良い状態になりました。

新しい方は派手で元気な印象ではありますが、特に問題を感じることは無くなりました。

こういう傾向を求める人には好まれる音なのでしょう。

古い方はとてもナチュラルで好ましい音がします。

柔らか過ぎて・・・と感じられるかもしれませんが、こういった音の方が好きです。

もうほんの少し穴が小さければ、もっと違う印象になるかもしれません。

パウエルというメーカーの変遷が感じられる2本でした。