09 SANKYO 14K 頭部管

Post date: Jul 2, 2017 1:28:27 PM

今回は、しばらくブランクがあって再開したものの、頭部管に問題を感じてお悩みとのご相談です。

12年ほど前にご購入されたミヤザワの楽器で、その2年後にサンキョウの14K頭部管に交換されてご使用との事でした。

症状としては頻繁に音が裏返り、シャーリングも多いということでした。

ご自身は技量の問題に因るところが大きいのではないかとお感じのようでしたが、他のメーカーの楽器を試奏すると明らかに違いが感じられたということからも、何か頭部管に問題があるように思われました。

送られて来た楽器を吹いてみると、つまった感じの音で気持ち良く吹けません。

息を吹き込めないので中音 E あたりがひっくり返る感じも確認できました。

左手の音程も低めでだらしない音になります。

中を見るとそれ程問題がある訳ではありませんが、僅かな形の崩れとライザー面の歪みが気になります。

そのあたりを修正すれば改善できそうです。

14Kの頭部管といえば銀製の何倍もの価格ですし、さぞかし良い作りですばらしい音がする・・と考えるのは当然かもしれません。

実際は銀と同じ様に作りますし、メーカーによってはむしろ加工しにくい分上手く形作れないということさえあります。(過去にその様に感じられるものがありました・・)

あくまで材料が高いのであって、楽器としての価値は別物と考えるべきなのですが・・メーカーも販売店もそうとは言いません。

高ければ当然品質が良いと考えるのは致し方ないのかもしれません。

正面の左右に見える黒い点はロウ目のスです。

ろう付けの際に気泡や不純物を取り込んでしまい、それが空洞となってろうの中に現れます。

最初から確認できれば管に付ける前に修正する事もできるのですが、仕上げている途中に現れることもあります。

気にしているメーカーは少ない様ですし、これが音に影響することはあまり無いとは思います。

手を入れてみるとそれ程気になる個所はありませんでした。

本来ならもっと良い音の状態であっても良いのですが・・・

もう少し音の傾向が変わるように手を入れました

この状態で試すと、ほぼ問題を感じなくなりました。

つまった感じがなくなり吹き込めるようになったので、音が裏返ることもなくなりました。

ただ、どうも音になる効率が悪いのか、余った息が雑音として感じられる印象です。

じっくり観察すると、どうもコーナー付近に問題が残っている気がしました。

画像では何も違いを伝えられませんが、気になった部分に手を入れてみると音のまとまりが良くなりました。

元の状態に比べて活き活きとした音で演奏できるようになりました。

これで自信を持って練習を再開していただき、楽しく演奏できるようになれば・・と願います。