07 Muramatsu AD 頭部管

Post date: May 23, 2018 9:17:14 AM

今回のご相談内容は次のようなものでした。

私自身は現在40代で,中学生の頃からムラマツAD#36***をちょうど30年使用してきました。

中学・高校の6年間は毎日のように吹いていましたが,その後社会人となってからは,月数回吹く程度で過ごしておりました。

しかしながら3年前に,社会人の演奏団体にて活動することになり,ムラマツ新宿店さんにてフルオーバーホールを実施しました。

今回はパッドも新型に入れ替え再スタートしたのですが,その時期に,中音域のEの音を少々吹き込み気味にすると「裏返る」という現象に気づきました。

ムラマツさんがオーバーホール後に無料に実施くださる再調整の際に申し出てみたのですが,特に不具合の指摘はありませんでした。

まあ自分自身の近年の練習量も練習量ですので,そちらに起因するもの程度に片付けておりました。

しかし1年ほど経過して,たまたま私のADと同世代のSRを吹く機会があり,SRの頭部管とAD胴・足部管を組み合わせたところ,非常に楽に鳴ってくれるとともに音飛び時にも音程が安定する感覚を持ちました。

これ以降,頭部管の個性や不具合などについてネット上で検索しているうちに髙村様のFacebookページに出会い,時々拝見しているうちに,作業日記「2015年No.33のムラマツDN」や「2017年No.04のムラマツAD」にて言われている現象が,私のものと同じではないかと思えるようになってきました。

また,ほかのムラマツのチューンの際にもコメントされている「左手ぶら下がり」も,(アマチュアの私には正確な意味が解っておりませんが)もしかしたら私の持っている感覚と同じではないかと思ってきました。

このような経緯より,ぜひとも髙村様にチューンをお願いしたいと決意した次第です。

送っていただいた楽器を吹いてみると・・

最初に吹いた瞬間、「何か頭部管に詰めてあるのか?」と思わず中を覗いてしまいました。

それ程つまり感がひどく、速い息で吹こうとすると音がひっくり返ってしまう状態です。

この状態を「特に不具合は無い」と判断する修理担当には疑問を感じますが、頭部管に関してはどこでもほぼ同様の対応だと思います。

エッジに傷がありますが、その影響とは思えません。

当時の歌口としては最近の形に近い感じです。

大きな問題はありませんが、アンダーカットの先端(終端)やコーナー付近に粗い部分があります。

構えた時の手前右下のコーナーにハンダの残り・・形のくずれが見られます。

これらを修正すれば改善できそうです。

その前に、リッププレート側面の凹みも何とかしたくなりました。

完璧に直すには一旦歌口を外して修理することになりそうですが・・

とりあえずこのままで何とかならないか試みることにしました。

意外と柔らかかったので、押したり引いたりして殆ど目立たなくなりました。

コーナーや奥の方を滑らかにするために手を入れると、ライザー面の不具合も見えて来ました。

コーナーのハンダ残りは修正できました。

アンダーカットも綺麗に整いました。

ショルダーにも少しだけ手を入れて表面のキズも取りました。

吹いてみると、最初に感じた詰まり感は無くなりました。

とても気持ち良く吹けるようになりました。

以前吹き比べて感じられた SR の印象に近付いたのではないでしょうか。

それ以上に感じて頂けたなら、なお良いのですが・・・