13 Philipp Hammig 木管頭部管

どうも低音が鳴りにくく(吹きにくくもあります)、木製の良さがあまり出てないような気がするのです。

何分古い楽器ですので、はじめは調整がくるっているのか?とも思いまして銀製の頭部管を軽く差し込んだところ 問題なく発音するのです。

もう少しコントロールをしやすい状況にならないかと思いご連絡差し上げました。

吹いてみると、低音に限らず全体に問題のある鳴りです。

どこかに支障がある感じですが、歌口の作り自体には大きな問題は無さそうです。

ライザー面に僅かに歪みがあります。

形状にも少し曲がり感があります。

エッジ部分には多少気になるところもあるのですが、穴がかなり大きいので手を入れるのも難しそうです。

ピッコロの場合によくあるのですが、接続に問題がある気もします。

コルク側はきついのですが、中の金属管が細目で緩い様に思います。

また、頭部管の木部の内径よりも接続管の内径が大きく、段差が出来ているのも気になります。

接続の調整をしたところ、低音を含めてだいぶしっかり鳴るようになりました。

それでも何だかはっきりしない音なので、気になる部分に手を入れてみました。

元の状態に比べるとまともな感じにはなったのですが、穴の大きい印象が残ります。

しっかりまとまった音を出すにはそれなりに難しさを感じます。

今まで何本か吹いたP.ハンミッヒの木管はどれも同じような印象ではありましたが・・・

だとすればこのままで良い気もするのですが、もう少しどうにかなるのではないかという感じもします。

原因は歌口穴の大きさにあるようです。

計測してみると、縦×横が 10.72ⅹ12.38mm もあります。

穴を小さくする手立ては色々考えられますが、今回は漆のようなものを塗り重ねてみることにしました。

本漆を塗り重ねるには相当時間が掛かりそうなので、合成漆(塗料)を使ってみました。


最初に厚めに4,5回塗り重ねてみたところ、ほぼ狙いのサイズになりました。

ところが表面の凸凹を削って整えると、元の大きさと大して変わらなくなってしまいました。

試しに吹いてみたところ、あまり変化は感じられませんでした。

左右は大体良いサイズに近付いていたので、今度は薄めに塗り重ねて行くことにしました。

最終的には前後のサイズを小さくするために、手前の壁にだけ塗り重ねました。

乾いては表面を整えてまた塗るようにしていましたが、さらに薄く塗ることでそのまま塗り重ねても問題ない状態になりました。

一体何回塗り重ねたでしょうか・・・ようやく狙いのサイズになりました。

この後吹きながら表面状態を調整することでだいぶ良い状態にはなったものの、まだ満足のいく状態ではありませんでした。

サイズはほぼ良い状態になったのですが、形状の乱れが生じてしまいました。

形を整えて更に薄く表面に塗料を塗って完成しました。

手放しで良い状態とは言えませんが、元の状態に比べて密度の濃い音が出る様になったと思います。

今回は2ヶ月以上の時間を費やしてしまいましたが、この様な方法も使えるかもしれません。