管厚と接続のすり合わせについて

フルートは Light ・ Heavy といった管厚仕様の違いの他に材質やメーカー、更に個体差によっても接続管の太さ(内径)が異なります。

ですから元々付いていた頭部管から違う頭部管に交換して使用する場合には”すり合わせ”という作業が必要になります。

ここで関わってくるのが管厚(管の厚さ)です。

この事について意外とご存知でない方が多いようなので説明させていただきます。

先程述べたように接続管の内径はバラバラですが、フルートの管の内径はほぼ 19.0mm に統一されています。

Theobald Boehm によると、本来は2オクターヴの範囲では 20mm の内径が最も良い響きが得られたそうなのですが、3オクターヴまで均一に鳴らそうとする場合は 19mm が最も良い結果が得られたということで、現在では設計の標準値として採用されています。

ですのでフルートの内径は19mmで皆同じであると考えて良いと思います。

ところが、管の厚さは材質やメーカーによって約 0.25mm〜0.46mm といった幅があります。

金やプラチナでは0.25〜0.35mm、銀や洋白では0.35〜0.46mmという場合が多いようです。

次の図をご覧ください。

※( )内の数字は頭部管0.3mm、胴部管0.38mmの例

胴部管の内径はΦ19.0で一定ですので、管厚tBが 0.25〜0.46mm に変化すると、赤い矢印で示した接続管(樽)内径

19.5〜19.92mm と変化します。

頭部管の外径(接続部)も同様に tH の変化で 19.5〜19.92mm の変化が生じます。

頭部管の管厚が胴部管よりも厚い場合には、頭部管の接続部を削って細くすれば入るようになるのですが、

上の図の様に頭部管が細い場合には、何か(テープ等)を巻いて隙間を埋める必要があります。

ところが通常のすり合わせでは頭部管の接続部分を膨らませて(広げて)合わせる方法が採られます。

そうすると当然内径も広がって19mm以上になってしまいますが、僅かであればそれ程影響を及ぼす事は無いと思います。

しかし銀管に金の頭部管を合わせる場合などにはかなり広げる必要があるので注意が必要です。

因みに、私の木製頭部管には 0.3mm・ 0.35m・ 0.38mm・0.45mm の4種類の接続管を用意して対応しています。