Post date: Feb 6, 2014 8:59:50 AM
久々にオークションで入手した頭部管を Tuning することに。
クラウンに特徴があります。
リップ・プレートの裏に 10621 の刻印がありました。
吹いてみたところ、全くボリュームが出ないものの何となく「こんな物かな?」と妙に納得してしまう変な状態・・・
こういう楽器を買った人は、フルートってこんな物なのか・・と思うのでしょうね。
見た目も手強そうな作りです・・・
アンダーカットもオーバーカットも全く取っていないのですが、こういう歌口こそ穴の形状が重要になってきます。
仕上げはピカピカで綺麗なのですが穴の歪みがひどく、修正できる限界ではなかろうかと思いつつ作業に入りました。
途中経過で何度も音を出して確認したのですが、なかなか思う様な状態になりません。
途中でハンダのまわりも気になったので差し直しました。
結局この状態でとりあえず妥協しました。
異なったタイプとしては在りかな? とも思いますが、もうしばらく吹いて更に対処しようと思います。
課題の残る手強い教材でありました。
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次の日改めて音を出してみると、どうにも穴が大きすぎる様です。
これはもう管の穴を埋めてリップ・プレートを交換するしかない!
という訳で、早速リップを外しました。
去年の最初の Tuning でのバーカートを思い出します・・・
そして銀の板を管にロー付け・・・
わりと上手く行きました!
そして新しい歌口をハンダ付け・・・
綺麗にまわっています。 これならハンダ処理しなくても良さそうです。
(普通は銀ベラで余分なハンダを取って炭研ぎという作業をします。)
さて、次に管に歌口部分の穴を開けます。
その前に、作業する機械にどうしてもフットスイッチを付けたかったので調光器(スピードコントローラー)を利用して作ってしまいました。
高速ボール盤の代わりにフライス盤を使って、まずセンタードリルで穴を開け、この様にカッターで広げて行きます。
(両手が塞がってしまうのでフットスイッチがあると便利なのです!)
この程度追い込んで、後はナイフで綺麗に仕上げます。
この歌口はほぼヘルムートのサイズですので、とりあえず筒だけのシンプルな形で仕上げてみました。
音もこれはこれで捨てがたいのですが・・・吹き辛い感は拭えません。
これをクーパーカットにしてしまうか、或いは小さな耳だけ付けるか・・・非常に悩むところです。
翌日改めて吹くと、とても良い印象に・・・
気になる所をほんの少しだけ手直しすると、非常に良くなりました!!
作業日記 #03 のフルートマスターズに引けを取らない感じです。
一から作るのであれば、この形で充分良い頭部管が作れそうです。
長年夢見ていたクーパーカットからの決別も有り得るかも知れません!