Post date: Sep 18, 2014 1:36:27 PM
今回はヘインズのオール・ゴールドの Tuning です。
さて、チューニングをお願いしたいヘインズの頭部管ですが、ラファンに比べてコントロールするのが難しく感じます。
先にチューニングして頂いた秋山/メナートの変身ぶりを体感して味を占めましたので、出番の殆ど無くなってしまった
オリジナルの頭部管に再び活躍してもらいたいと思っています。
Scottish Fold Embouchureを積極的に希望します。
久しぶりにオリジナルの頭部管をつけて吹いてみましたが、いつも使っているラファンよりも中低音の息の入り難さを感じました。
パワー感も劣りますが、音色は変化に乏しいものの捨てがたい魅力が有ります。
以前、 *** にリカットの相談をしたことがありますが、オリジナルの魅力が損なわれるので勧められないということでした。
しかし、結局はラファンばかり使うことになってしまい、宝の持ち腐れ感があります。
ということで、送られてきた楽器は総金の 45500 という番号でした。
吹いてみると・・・楽器としてちゃんと機能していない様な感じの音です。
吹きづらいがそれなりの味のあるヘインズの音とは別物です。
穴の形は整っていますが、かなり大きい感じです。
中を覗いてみると・・・ライザーよりも大きな穴が管に開いていて段差がついています。
これは何らかの手が入っている様なので確認しました。
中古でフランスのフルート専門店(パウエルの代理店)から購入したのもです。
以前、 *** でも同じ様なことを指摘されました。
・・・改造したものを元に戻したのではないか?。
*** に大きな穴を修正するための修理をお願いして、リカットも相談した経緯があります。
段差は修正されたものと思っていました・・・。
この画像では理解し難いかと思いますが、
鏡に映った下の方の細い溝のような線が元の半田層なので
その上の光った部分は管の厚みのはずです。
その上に結構な幅で黒く見える部分があり凹んでいます。
その上にようやく管の内側部分が光って見えます。
何とも不可解な状態です。
先ずはこれを何とかしなければ・・・
壁の角度も大きく(下に広がり過ぎ)穴のサイズもこれ以上は触れない悪条件で、とりあえず段差を最小限に修正しました。
この状態で吹いてみましたが、最初の状態からは改善されたものの満足の行くものではありません。
結局スコッティッシュ化に踏み切りました。
これでようやく楽器としての基本的な問題は解消できました。
それでもなお音色の面白さと低音の物足りなさを解消すべくあれこれと格闘しました。
力強い音を出すのは困難ですが、高い音は楽に綺麗に鳴ります。
この頭部管をオールマイティに使用するのは難しいかもしれませんが、使い分ければそれなりの楽しさはあるのでは・・・
という状態には持って来られた気がするので、これで終了とさせていただきました。
ヘインズの金はかなり手強い印象が拭えません。
コメント
☆『T.Tuningヘインズ昨日受け取りましたが、時間が無くあまり吹けませんでした。
今日はオケの練習がありましたので、早速使ってみました。
普段メインに使っているボディですので、吹き心地が変わる程度で問題は発生しないだろうと思っての試みです。
練習はまず、シューベルトの未完成からスタートでした。
この曲では2nd.パートを受け持ったのですが、クラの2nd.との低音域の重なりが多く、pで上ずる癖のクラとぶら下がる癖のヘインズで、
いつも修正しきれずに苦労していました。しかし、何ということでしょう、いとも簡単に合せられました。
低音のぶら下がりが少なく感じましたし、修正できる範囲が広がったように思います。
未完成では、迷わずT.Tuningヘインズを本番で使いたいと思います。
次は、チャイコフスキーの交響曲5番、1st.担当です。ご指摘の中低音のボリュウム不足が問題になるかと思いましたが、大丈夫でした。
ラファンのボリュウーミーな響きとは異なりますが、響きの良い広い部屋で吹くと全音域で明らかに遠鳴りしているように感じました。
細めの中低音域の音色ながら、息が入りやすく音色の変化に富んでいますので、倍音を増やすなど吹き方の工夫で音量不足を補えると思います。
結局最後まで、ラファンに差し換えることはありませんでした。
中低音の旋律が多いチャイ5にはラファンの方が向いているように思いますが、倍管編成を予定していますので音量はアシの方にお任せできるし、
悩みます。本番までまだ日数がありますので、しばらく贅沢な悩みを楽しみたいと思います。
ここ2日間での使ってみた感想ですが、高音の音色と繋がり、そしてハイE音やハイFis音の発音のしやすさ、さらに音程の良さはラファンを凌いでいます。
傍からパワフルに鳴るアドラー付きでヘビー管のラファンと比較すると確かに中低音のボリューム感に物足りなさを感じますが、
遠鳴りしているスコティッシュ仕様でウルトラ・ライト管のT.Tuningヘインズも音の遠達力では引けを取っていないように感じます。
これはこれでとても魅力があると思います。
両者の性格の異なる音色が面白いです。前回のT.Tuningメナートと共に、使い分ける楽しみが増えました。
職人気質の性かも知れませんが、髙村さんが気になさるほどの不出来な出来栄えとは思えません、ご心配無く!
ここまで改善して頂き、感謝こそすれど不満などありません。ありがとうございました。』
2014/09/21 (#23) 神戸市 T.N. 様