17 Muramatsu GX

Post date: May 16, 2015 1:49:25 AM

今回も5月5日の試奏会にお越しいただいたお客様からのご依頼です。

定期的に調整には出していますが、なかなか満足いく事はなく吹き方に問題があると思っていました。

先日ピッコロの頭部管を購入したところ全然鳴らなかった楽器が別の楽器かと思うくらいに蘇りました。

正直頭部管でこんなにも変わるなんて目からうろこでした。ただの無知ですが・・・。

フルートに関しては音が裏返ってしまう時があり、毎回ではないので吹き方かもしれませんが

調整に出している間に貸していただいたフルートを吹いても全然裏返ることはありませんでした。

改善して欲しい点

・高音A D Eが特に裏返るので直したい

・出だしの音をp(ピアノ)で吹く時にすぐに音が出ない かすれる

先日の5/5ダクで行われた試奏会でスコティッシュを吹いて一瞬でときめきました。

このスーっと吹き込む感じ、ストレスなく気持ちよく吹けました。ぜひMy楽器もチューニングしていただきたいです。

ということで、送って頂いた楽器を吹いてみました。

かなり良く鳴る楽器ですが、ちょっとつまり気味で p での音程のコントロールが難しい印象でした。

つくりに関しては殆ど問題が見当たらない状態でした。

エッジとその付近の表面の傷が気になるのと、アンダーカットが少し小さいような印象はありました。

早速スコティッシュ加工に入ることにしました。

ひと通りの手順を踏み出来たと思って吹いてみると・・あまり芳しくありません。

細かい調整をしても改善されず、結局最初に気になったアンダーカットを更に広げることにしました。

この状態でようやく納得できるところに辿り着きました。

どうも仕上がり状態の良い歌口ほど、音に現れる不具合がある場合には設計やトータルのバランスが大きく影響するように思われます。

殆どは仕上がりの不具合を見つけて修正すれば改善できるのですが、今回のようなケースでは非常に集中力が必要とされます。

先ず何か違和感を感じた場合それが何に(何処に)起因するのか見極めどのような手を加えるか・・・

それが複数に起因する場合はひとつずつ因果関係をつぶして行かないと迷路にはまってしまいます。

そのためにも普段から良い歌口のイメージを把握して、変化と改善をきちんと認識できるように心がける必要があります。

一体このような作業をあとどのくらい続けて行けるのでしょうか・・・

まだまだ精進せねば。

コメント

☆『ようやくフルートを吹く時間が取れたので朝から吹いてます。

ダクの試奏会ではゴールドが入ったランクの上のタイプだったので、今回は第一印象ほどの驚きはありませんでしたが、

今までとは明らかに吹奏感も唇に触れたときの感触も別物でした。

一通り吹いた感想ですが、低音がよく鳴るのに驚きました。

最低音のD~Cの音程がいつも低くなってしまっていたのが下がることなく安定するようになって想定外の喜びです。

音のひっくり返りは以前よりは解消されましたが、3オクターブ目のD→2オクターブ目のAにスラーで下がる時にがどうしても引っかかります。

吹き方の問題かもしれませんが・・・。何かアドバイスがありましたらお願いします。

出だしの立ち上がりはずいぶん楽に出せるようになりました。あとはもっと自分の技術を磨かないと!』

2015/5/19 (#17) 神奈川県 M.T. 様