Post date: Jul 30, 2015 1:12:28 PM
今回はムラマツの比較的新しい705**番のSRの頭部管です。
以前から左手の音程のぶら下がり(特に中音G、Gis)や 高音の鳴らしにくさや抜け感の無さなどに悩んでいました。
自分の技量や調整の問題かと思って半ば諦めていましたが
HPでムラマツSRで全く同じような症状のチューニング例を拝見しまして
ひょっとしたらこれは頭部管の問題なのかも?!と思い
連絡をさせて頂きました。
一度私の楽器を見て頂けないでしょうか?
という事でした。
送っていただいた楽器を吹いてみると、ひどく問題がある訳ではありませんが確かに左手の音程のぶら下がり感は顕著でした。
音の印象も何となく無機質な感じで楽しめる感じではありません。
中を覗いてみると、角度・大きさ・仕上げの状態を度外視すればほぼ完璧に近い状態の作りでした。
ともすると反射板の位置だけで改善される部分もあるかと思い試してみました。
音程感は少し改善される様ですが根本的な変化は認められませんでした。
これだけきちっとした歌口の形状ができているのに音に現れる不具合は、おそらく基本設計と仕上げの状態に起因するものと思われます。
角度や大きさを変える事は出来ませんので、各部分のバランスを整えて最終的に綺麗に磨いて仕上げることにしました。
これだけで予想以上に良い方向に改善されました。
左手のぶら下がり感は解消され上向きの明るい音色となり、活き活きとした表現ができるようになったと感じます。
コメント
☆『まず、左手のぶら下がりの改善には本当に驚きました。
長年 苦労していたのが何だったの?!と少し悲しくなるくらい…(笑)
気になっていた中音域のGやGis、高音域のDもずっと苦労していたんですが、スッキリです!
そして、音色が明るく生き生きと、また吹き込むと硬くなりがちだったのがぐっと吹きこんでもそれを楽器が受け容れてくれるようになりました。
低音も楽に鳴ります。
いつも伴奏してくれているピアニストもこの音を聞いて変わった!と驚いていました。
彼女曰く音に透明感がでて更に豊かな響きになったと言ってくれました。
客観的に聴いてもそれだけの変化があったとは本当に驚きです。
感覚が随分変わりましたので、まだまだ慣れない部分もありますが、新しい発見もこれから出てきそうでとても楽しみになりました!
本当にありがとうございました。』
2015/8/4 (#26) 愛知県 J.B. 様