Post date: Jan 27, 2016 9:19:32 AM
今回はミヤザワの14K頭部管です。
発音や跳躍が難しく、クレッシェンドする際に音程が上ずり易いといった問題を感じると云うことでした。
送って頂いた楽器を吹いてみると、それ程ひどい状態ではありませんでしたが音程のコントロールが難しい状態でした。
中の状態もそれ程大きな問題は無いのですが、影響を及ぼしているであろう箇所は見つかりました。
先ず管端がひどく丸まって内側にバリが出ている状態だったので、そこから直すことにしました。
さらに歌口近くの管の部分にもくっきりと”くの字”状に凹んだ部分があったのでついでに直すことにしたのですが・・・
膨らまして戻して歪んだ表面を均そうとしたのですが、思いのほか管が薄くなっている部分がある為完全に修復することができませんでした。
皺が取りきれず歪んだ状態ですが、これ以上削ってしまうと不安な状態でした。
不本意ながら仕方なくこの状態に留めることにしました。
くっきりとした凹みに比べて音への影響は少ないと思うのですが、余計なことをしなければ良かったと反省しきりです。
元の状態も写真に撮っておけば良かったのですが・・
一通りの手を入れて吹いてみると、問題は解消されてだいぶコントロールし易い状態になりました。
場合によってはスコティッシュ化もご希望されていたのですが、その必要は感じなかったのでこれで仕上がりとしました。
☆『凹みのシワは思ったより気になりませんでしたのでこのままで大丈夫です。
ジョイント部分と反響板がすっかり綺麗になっており、新しい頭部管を手にした様でした。
そして、吹奏感ですが、ピッチが面白いくらい安定する様になりました。
ただ、はじめ中音域で幾つか響の薄くなる音がありましたが、
リラックスしたアンブシュアだと全ての音でしっかり響くようになりました。
今までピッチをコントロールする為に吹き方に変な癖が付いているんだと思います。
これからじっくり慣らしていこうと思います。
それから、音の跳躍、倍音練習がとても簡単になりました。』
2016/1/27 (#05) 鹿児島県 N.A. 様