Post date: Feb 3, 2016 9:31:35 AM
今回は太い音や軽い音を自在に操りたいのだが、思い通りに吹けずに悩んでいるという内容でした。
最初に音を出した瞬間、このところ木製頭部管を吹き慣れているせいもあり、あまりの強烈な音に驚きました。
楽器が勝手に鳴ってしまい奏者の意図を読み取ってくれない・・・そんな印象でした。
少し吹いているとそれなりのコントロールの仕方は掴めましたが、どうしても血の通わない平坦で冷たい音色になってしまいます。
これだけ個性のある音なので作りもさぞかし・・・と思い中を覗いてみましたが、パウエルに見られるような作りの粗さは無く典型的なクーパーカットに形作られていました。
明らかに影響を及ぼしそうな問題箇所はありませんが、気になる部分は認められましたのでその部分が意外と悪さをしているのかもしれません。
手の入れ方や使っている道具が窺い知れる作りでしたが、最終的な詰めの甘さを感じました。
その辺の修正をして確認してみると、ほぼ狙い通りにコントロールの自由度が増しました。
柔らかい表現もできるようになりこれで完成にしても良いかと思ったのですが、何かもうひとつ音の緻密さが足りないようにも感じました。
いろいろと経験は積んで来たものの、今だに「こういう場合にはここを触れば直る」といった技術は確立していません。
とにかく目で見て不自然な部分を探して修正し、吹いて確認するだけです。
今回もこれ以上修正する部分は無いかと思われましたが、ほんの少し気になる部分に手を入れてみると思い通りの結果が得られました。
歌口の仕上げに関しては、ほんの少しでも手を抜けない事を再認識することになりました。
☆『まず、マウスピースで吹くと、以前よりかわいい音がしました。
それに、特別な掃除をしたような、何ともスムーズな息の通りでした。
全体的には、吹いてると、今までこんなに口の中が響いていたかな?と感じる程、口の中が変わりました。
楽器と体が共に鳴ってるのでしょうか。
髙村様のベームのYouTubeを拝聴しました。素晴らしいですね。脱帽。
私も1番をゆっくり吹いてみました。なるほど、上品な音がしたり、緻密な音がしたり。
髙村様の意図される音色が伝わってきました。
吹いては頷き、正に自由度が増えました。
ブランネンを手放して銀のフルートにしようか、と試奏する度にブランネンは負けじと鳴ってました。
髙村様に楽器の状態を教えて頂き、丁寧に手を加えて頂いた事で、落ち着いて吹いていけそうです。
本当にありがとうございました。感謝しています。』
2016/2/5 (#08) 愛媛県 N.N. 様