Post date: Jan 21, 2016 2:24:20 PM
今回初めてパウエルの木管頭部管をチューニングすることになりました。
パウエルの木管については、以前菅原潤氏の楽器を吹いた事があり、かなり吹き易かった印象があります。
その後もう1本だけ知人の楽器を吹いた事があるのですが、それは良くない状態でした。
両方共中までは覗いたことはないので、どのような状態になっているのかは判りませんが、恐らく何かしらの不具合は見つかると思い着手することにしました。
今回は一切写真を撮っていなかった事に気付きました。
送っていただいた楽器を吹いてみたところ、それほど悪い状態ではありませんが、中音の左手領域の音程が下がってしまう為 p で柔らかく吹くのが難しく感じます。
大きな音は出易いのですが、活き活きした音を保つには緊張した状態で吹かなければならないので、いろいろなコントロールが難しくなって来るようです。
高音のFisが出難いという事でしたが、私自身はそれ程感じませんでした。
ただ、前述の要因で吹き方に無理が生じている為にそのように感じられるのかもしれません。
歌口の中を見たところ、おそらく影響を及ぼしていると思われる箇所は確認できました。
それほど顕著な不具合ではありませんが、その部分を修正すると先程の問題点が解消できそうでした。
一通り気になる部分を修正し、一応オイルも塗布しておきました。
吹いてみると明るく素直な音の出方になって当初の問題は改善できたようです。
金属管の楽器と殆ど変わらないような非常に吹きやすい楽器です。
☆『これは別の楽器ではないか!?
息がすーと流れ、楽器が自然に鳴っている。
倍音も増えた。
音が大きくなった。
低音がよく出だした。
音がひっくりかえていたのが減少した。
いつも情けない音の中音のE♭、C♯も輪郭がくっきりし・・・。
唇が接触する部分が滑らかに、息が逃げる側もやや削られ、
ジョイントの端っこが外側にわずかに出されてすりあわせがかちっとし、コルクもやや詰められているような、
息の当たった痕もきれいにされ、すっかり変わりました。
大変ありがとうございました。』
2016/1/21 (#4) 山口県 K.M. 様