Post date: Jun 2, 2017 2:14:24 PM
今回は32,***番台の古めのムラマツADモデルの頭部管です。
長年使用してきた楽器ですが,息がスーッと入らず,音がつまった感じになります。
右手の音が特に鳴らし辛い(中でも中音域)気がします。そのためダイナミクスが付け辛く,
音もひっくり返りがちです。吹き方もあるだろうと思いますが,何とかなるものでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。
・・ということで
音を出してみると、ご説明の通りで全体につまった感じで中音右手がひっくり返ります。
穴の形はすっきりと良い感じです。
中もとても良い形なのですが・・・
この画像は下がコルク側なのですが、管との境目付近にキズのような粗い部分があります。
この部分が相当悪い影響を及ぼしていると考えられます。
この当時は鋳物からヤスリで歌口を成形していたと思うのですが、とても良い形です。
それだけに残念です。
しかしどうしてこの様な状態なのか?
管の方はコルク栓が偏心していて出し入れの際に反射板の縁が触れて・・・
ということもあるのですが、それだけではありえない状態です。
この部分の修正だけで改善が期待できそうです。
後はエッジ部分に僅かに手を加えて出来上がりました。
つまり感も無くなり全く問題の無い状態になりました。
現代的なカットも考えましたが、その必要は無さそうです。
懐古趣味ではありませんが、この当時の頭部管も良いものです。
コメント
☆『本日到着し、早速試奏しました。チューニングをお願いする前とは
“全く別の楽器”になりました。特に中音域右手の問題が解決され,
息もスムーズに入るようになりました。全体的にも音色に輝きがま
増したように思います。ご指摘の通り,反射板はいくらかでも改善
できればと思ってのことでしたが,オリジナルに戻したほうがいいの
でしょうか。
ともあれ,今手にしているこの楽器に満足しています。演奏する
のが楽しみになりました。本当にありがとうございます。』
2017/5/4 (#04) 秋田県 J.S. 様