Post date: Jun 27, 2017 10:08:53 AM
今回は殆ど吹くことが無くなってしまったという楽器です。
最初に吹いた時に、あまりに鳴り難いので早速中を覗いてしまいました。
しかしひどく気になる部分は無く、むしろ綺麗な仕上がりです。
自分の楽器に入れて吹いてみると、吹き方によってはしっかり鳴らすことができる事が判りました。
頭部管をかなり外側に回してエッジとの距離を離すことで鳴らすポイントが見つかりました。
この画像では上手く表せないのですが、リッププレートの形状に違和感がありました。
アール(カーヴ)が急で正面のエッジよりも手前のエッジの方が高く感じるのです。
これを根本的に変えることは困難ですし、数値的には感じる程の大きな差では無さそうです。
他の問題部分と併せて修正すれば改善できるように思えます。
壁の横の面が膨らんでショルダーにも現れています。
左の画像のショルダー部分、右の画像では鏡に映った壁の部分。
ライザーの表面をナイフで軽く当たってみると全体に平坦でない不自然な面が現れて来ました。
ほんの少しだけリッププレートに手を入れました。
あとはライザーの全面をひと通り平滑にしてショルダーの部分も少し修正しました。
アンダーカットも殆どない形状はそのままですが、元の状態からはだいぶ改善できたようです。
コメント
☆『吹いてみまして最初に感じましたのは、普段使っています他のフルートと違って、音を出しにくいなぁということでした。
素人の私にとりましてはポイントが狭く、キチンとした音を安定的に出すのに苦労しました。
高村様の整備記録にも書かれていますように、アンダーカットの少ない歌口であることが関係しているようです。
しかし、三日ほど集中的にこの頭部管を吹いておりましたら、ポイントらしきものが少しは掴めてきたのか、鳴りは明らかに良くなってきており、しかも他のフルートの音色とは微妙に異なる音を出してくれています。
新しいタイプの頭部管を手に入れることになりました。ありがとうございました。』
2017/7/28 (#07) 千葉県 A.S. 様