Post date: Dec 22, 2017 2:10:51 PM
前回のパールのフルートと一緒に送られて来たパウエルのキングウッド製9金メカのピッコロです。
・まずこちらも見た目で気になっている所が多々あります。穴の形が均等でないように見え、アンダーカットをスマホのライトで照らして覗いてみるとガタついてる箇所が見て取れます。ライザーの壁面も若干波打ってるように見えます。
・音程はどのピッコロにもよくありがちな事ですがCis、Dが低いです。サブで使ってるパールピッコロよりもその癖が顕著です。
・音色は柔らかな音で気に入ってはいるのですがまとまりと音程をよくしたいです。
ということでしたが、下から上までちゃんと鳴り問題の無い状態に感じられました。
それでも中を見ると気になる部分もあったので、音の改善につながるかどうかは別にして修正することにしました。
とても綺麗なピッコロです。
ショルダーは平面でカットされてありますが特に問題ありません。
コーナー付近に僅かにガタつきが見られます。
アンダーカットの歪みも気になります。
これらをひと通り修正してみました。
アンダーカットの修正。
コーナーの修正。
ショルダーも少しだけ角を取りました。
手直しして吹いてみましたが、私にはあまり変化が感じられませんでした。
やはり元の状態に問題がない場合にはあまり変化は期待できないようです。
それでも普段から吹いているご依頼主には何かしら感じていただけるかもしれません。
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私がここで問題のある画像を出しているので、この作業日記をご覧になってご自分の楽器も同様なのでは・・
と心配される方もいらっしゃるようです。
何か問題を感じて確認するのであれば良いのですが、目に見える部分を気にして神経質になる必要はありません。
極端に言えば支障がなければ見た目はどうでも良いのです。
ですから私が頭部管の確認をする場合は、必ず最初に吹いてみるようにしています。
問題を感じた時にその原因となる個所を見つけ出すという順序は必ず守るようにしています。
そうでないと「こういう形だから音にも支障があるだろう・・」という先入観が働いてしまいます。
ご自分の楽器に問題を感じたら、できるだけ同機種あるいは色々な楽器を吹き比べてください。
その中で固有の違和感を感じたらその楽器に問題があると考えても良いでしょう。