Post date: Feb 28, 2014 11:41:27 AM
今回は去年チューニングした楽器(作業日記2013 #07)をスコティッシュへというご依頼です。
前回は、鳴らないと殆どあきらめていた楽器が蘇ったということでとても喜んでいただきました。
このページでスコッティシュに興味を持たれ、まだ改善の余地があれば・・・というお問い合わせがありました。
あらためて見てみるととても個性的な形状です。
特にリッププレートの全面が殆ど直線的に急激に折れ曲がっているのが特徴です。
吹いてみると、この状態では困るということは無さそうですが改善の余地はあると思いました。
ただ、ご希望の「輪郭のはっきりした深みのある重厚な音」にできる自信は無かったもののスコッティシュ化への作業に入りました。
最初は小さめに仕上げて試奏してみました。
スコッティシュの効果もあまり感じられず、音の傾向も明るく軽い方向に向かってしまいました。
さらにやり直し、ようやくスコティッシュの吹奏感が得られました。
しかしどうにも音質が狙うところに近付かず、エッジの微妙な調整を繰り返して何とか妥協できる所までもって行きました。
この FT の独特な形状が持つ強い個性は相当なものです。
表現の幅は広がってある意味面白くはなったのですが、果たしてこれをどの様に受け止めていただけるか・・・
Tuning で全く異なった性格に変えることは極めて難しい!
と思い知った教訓的作業でした。
コメント
☆『本日サンキョウ14Kが帰って来ました。
どの様に変わったのかドキドキしながらケースを開けるととても愛らしいスコティッシュちゃんがそこに居るではありませんか!!
早速吹いてみましたがとても柔らかく優しい音になっていました。
それに、前にも増して大きな音が出ますね。
私がイメージした音とはちょっと違うもののこれはこれでアリだと思います。
しっかり鳴らすには少し体力が必要かもしれませんがしっかりと響かせたいと思います。』
2014/03/03(#09) 長野県 C.T. 様